中国製冷凍ギョーザ中毒事件で、警察庁は27日未明、中国公安省からの情報として、呂月庭容疑者の周辺から押収された2本の注射器を分析した結果、有機リン系殺虫剤のメタミドホスが検出されたことなどを発表した。
2008年1月に千葉、兵庫両県での被害が発覚した後、中国・河北省でも、同年6月に同じ製品による多数の中毒被害が発生していたことが判明している。同庁は、呂容疑者がどちらの事件で逮捕されたのかは「現段階では不明」としているが、外務省によると、中国側は容疑者は日本での中毒事件にかかわったことも伝えてきており、今後、「日本側が希望すれば、共同捜査を行う用意がある」とも連絡してきたという。
呂容疑者逮捕の連絡が警察庁に入ったのは27日午前0時。呂容疑者は天洋食品の食堂の管理人で、「長期間、臨時工として勤務しても正社員にしてもらえなかった」などと供述しているという。中国側は「2本の注射器は下水道に捨てられていた」としているが、下水道がどの場所にあったのかなどは明らかにしていない。また呂容疑者の単独犯行かどうかについても、警察庁は「現段階ではわからない」としている。
日中両国の間では犯罪人引き渡し条約が結ばれていないため、警察庁は、呂容疑者が日本側の事件に関与していた場合、代理処罰の要請を検討する方針。また、注射器から検出されたメタミドホスが千葉、兵庫両県で被害が出たギョーザから検出された成分と一致するかどうか確認するため、捜査幹部の派遣も検討している。
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