鳩山由紀夫首相の突然の辞任表明に、各地の知事からは2日、「自業自得」「やむを得ない」などと厳しい声とともに「残念だ」という感想も聞こえた。進行中の問題を抱える首長は、新首相に期待する発言を重ねた。
沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は、米軍普天間飛行場の移設問題を踏まえて「急ぎすぎた感がないわけではない。県民の意向、県内の状況を正確に把握されていたのか」と述べ、地元の頭越し決着による反発が辞任につながったとの認識を示した。新内閣には「沖縄での移設実現は極めて厳しいという認識に変わりはない。県民の思いをきちんと受け止めた方向での解決を望みたい」と注文を付けた。
八ッ場ダムの建設中止問題で揺れる群馬県の大澤正明知事は「(ダム中止は)協議の場を設けずに強引に実施してきた。地域主権と言いながら地方の声を聞かず一方的に決めてきたものが多々ある」と批判。「(辞任は)やむを得ないと思っている。首相の発言に国民が信頼感を失ってしまったということは不幸なことだ。新首相が決まったら、地方との協議の場を一日も早く開き、地方の意見を吸い上げて行動してほしい」と要望した。
口蹄疫被害が拡大し、1日に鳩山首相の訪問を受けた宮崎県の東国原英夫知事は、「残念だ。訪問を受けた時には何となく感じていたが、口蹄疫対策は一刻の猶予もない。首相の『万全を期す』との言葉がほごにされてはならない」と述べた。
東京都の石原慎太郎知事は「自業自得としか言いようがない。国民は裏切られて、失望したという感は否めないと思う。参院選目当てで人事が動くというのも見え透いた話。国民だって分かるでしょう」と批判。政治手法に対しては「官僚支配を取り払うというのは、官僚の言うことを聞かないのとは違う。全く官僚を使わないから、稚拙というか……」と苦言を呈した。
大阪府の橋下徹知事は「一国の首相は本当に大変だ。今の時代は国民にいい顔をできる状況ではない。国民に我慢を求めることを、民主党には徹底してもらいたい。自由、競争、責任が僕の価値観。自民ではできないことをいろいろやってくれているので、次の民主(政権)に頑張ってほしい」とエールを送った。【井本義親、奥山はるな、石田宗久】
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